◆奈良の世界遺産
現在全国に世界遺産は14件あり、そのうち奈良に3件あります。ちなみに京都は1件。もう少し詳しく京都との比較をすると、京都の1件には17の寺社仏閣が具体的な構成物として世界遺産に登録されています。奈良の3件には14の寺社仏閣と1つの史跡などから構成されています。奈良が都として栄えたのは飛鳥時代から平安時代までの約100年間、一方京都は平安時代から鎌倉時代までと、室町時代から江戸時代までの合わせて約650年間。こう比べると奈良に都があった時代がいかに凝縮されていたかが伺い知れます。仏教伝来から日本独自の文化が芽生えた時代の中心地であった奈良の歴史と文化を感じる、それが奈良の世界遺産です。
①『古都奈良の文化財』

具体的な史跡としては東大寺、興福寺、春日大社、春日山原始林、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡の8つが世界遺産として登録されています。それぞれの見所をご紹介します。
・東大寺・・・大仏殿(廬舎那仏るしゃなぶつ)、二月堂(眺望が良い)
・興福寺・・・国宝館(阿修羅像)、五重塔
・春日大社・・・本殿4棟(国宝)、燈籠(石燈籠約2000基、釣燈籠約1000基の合計約3000基)
・春日山原始林・・・滝坂道(石畳の道)
・元興寺・・・飛鳥瓦(飛鳥時代の瓦)、智光曼荼羅(本尊)
・薬師寺・・・薬師三尊像(白鳳時代)
・唐招提寺・・・金堂(廬舎那仏るしゃなぶつ)

②『法隆寺地域の仏教建造物』

具体的な史跡としては法隆寺、法起寺の2つが世界遺産として登録されています。法隆寺の金堂は世界最古の木造建築物であり、仏教伝来当寺の日本の様子がうかがえる貴重な史跡です。
・法隆寺・・・西院伽藍(中門、回廊、金堂、五重塔は飛鳥時代の建築)、東院伽藍(夢殿、伝法堂は奈良時代の建築)
・法起寺・・・三重塔(現存最古706年建立)
昭和の一万円札が聖徳太子であったことはまだ記憶のかたすみにあると思いますが、法隆寺は聖徳太子が建てた寺です。冠位12階や17条憲法を定めたほか、仏教を大変奨励していました。 法隆寺と法起寺は少し離れたところにあります。


③『紀伊山地の霊場と参詣道』

紀伊山地の霊場と参詣道ということで、三重県、和歌山県、奈良県にエリアがまたがっています。奈良県の霊場としては「吉野・大峯」エリア、参詣道としては「大峯奥駈道」があります。
「吉野・大峯エリア」
・吉野山・・・春は桜(3000本)、秋は紅葉
・吉野水分神社・・・水の分配を司どる神様を祭る
・金峯神社・・・吉野山の地主神を祀る
・金峯山寺・・・蔵王堂(本尊・金剛蔵王大権現)
・吉水神社・・・書院
・大峯山寺・・・女人禁制の大峰山のほぼ山頂にある(標高1700m)
「大峯奥駈道」
役行者が8世紀初めに開いたとされる修験者の修行の道

世界遺産写真集


興福寺五重塔
古都奈良の文化財から興福寺の五重塔です。京都の東寺に次ぐ2番目の高さで、50.1Mあります。


法起寺 
法隆寺地域の仏教建造物から法起寺です。三重塔としては世界最古です。


法隆寺
同じく法隆寺地域の仏教建造物法隆寺の西院伽藍を正面から撮影したものです。中門の背後に世界最古の五重塔が見えています。

 

金峯山寺蔵王堂 
「紀伊山地の霊場と参詣道」からは3つご紹介いたします。 まずは金峯山寺の本堂である蔵王堂です。本尊が蔵王権現であることから蔵王堂と呼ばれています。



吉野水分神社本殿 
続いては、吉野水分神社です。「よしのみくまりじんじゃ」と読みます。本殿、弊殿、拝殿、回廊がロノ字に配されている珍しい配列です。



吉野山の眺望 
続いては、大峯奥駈道から金峯山寺蔵王堂を見下ろす眺望です。この写真は秋の紅葉の風景ですが、春には3000本の桜が彩ります。


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